« 「キャンベラセミナー」の引率のためにキャンベラに来ています。 | Main | キャンベラセミナー(阪大組)全授業日程を終えて »

2012.01.31

キャンベラセミナー(阪大組)第2週目を迎えて

2012121日(出発は20日)から24日(日本着は5日)まで、海外学生短期派遣プログラム・キャンベラセミナー(阪大組)の引率のためにオーストラリア・ACTのキャンベラに来ています。先週は第1週目で法律英語の授業、そして、今週に入ってオーストラリア法の入門講座が始まりました。先週の法律英語の授業は担当講師のGary Levis先生の指導がすばらしかったので、学生の法律英語力が目に見えて向上しました。学生は、その成果の上にオーストラリア法入門の授業を受けことができて、どうにかついてきているという印象です。本セミナーの授業は基本的にオーストラリア国立大学(ANU)で行われるのですが、今日(131日)は出張してキャンベラ大学(UC)で授業を受けることになりました。

授業を担当したのは、日本の中央大学に留学経験もある私の友人のTrevor Ryan博士。午前中はオーストラリア法と日本法の比較ディスカッションで、午後は同大学法学部のMoot Courtでの授業でした。午前中の日豪法比較ディスカッションは、先週から何度も同じことを議論してきていたので、学生は難なくこれをこなしていました。先週はしどろもどろだった学生も、今週になると堂に入った話しをするので、感心しました。午後はMoot Courtでの授業。最新のIT機器を導入したMoot Courtに驚かされたばかりでなく、唐突に学生が模擬裁判の実演をすることに。Ryan博士にR. vs Lindy Chamberlain事件の台本を渡された学生は、予定していなかった展開に最初は戸惑っていました。

R. vs Lindy Chamberlain
事件はオーストラリアで最も有名な冤罪事件の一つです。エアーズロック(ウルル)にキャンピングに来ていた家族の子供がディンゴに襲われて殺されたところ(これはあとで明らかになった事実です)、地元警察は母親が殺したことを疑い、母親が殺人容疑で刑事訴追を受けることになり、31年もの長きにわたって争い続けた結果母親の無罪が明らかになったという事件です。学生は事案について事前になにも知らされておらず、その場で断片的なビデオを見ただけで、すぐに台本を持って検察官役、被告弁護人役、裁判官役、証人役に分かれて模擬裁判をやることになりました。

私は最初どうなることかと心配して見ていたのですが、わが阪大生は臨機応変に事態に対応する能力を備えていることがよくわかりました。多少頼りなげな学生もいましたが、多くは堂々と役になりきって台詞を読み、難なく課題をこなしていました(若干身贔屓な評価です)。海外学生短期派遣プログラムに模擬裁判まで組み込むことは盛り込みすぎだと思われ、当初まったく考えていませんでしたが、これも学生次第だと考え直した次第です。

キャンベラセミナは残りあと4日です。学生には一生の思い出となることと思います。残り僅かな日を充実させていきたいと思っています。

Img_3635




|

« 「キャンベラセミナー」の引率のためにキャンベラに来ています。 | Main | キャンベラセミナー(阪大組)全授業日程を終えて »

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference キャンベラセミナー(阪大組)第2週目を迎えて:

« 「キャンベラセミナー」の引率のためにキャンベラに来ています。 | Main | キャンベラセミナー(阪大組)全授業日程を終えて »